〜郊外の夢と現実〜 と副題のついた本、『「家族」と「幸福」の戦後史 』(講談社現代新書:三浦 展 著)の紹介です。
ベストセラーとなった『下流社会』(2005)の著者・三浦展(みうらあつし)が、1999年に著していたこの本には、読み返す度に新たな発見があり、刺激を受けています。
三浦氏は、アメリカの1930年代から60年代、および日本の高度成長期から現在の、60年間の歴史の流れの中に” 郊外 ”を位置づけ、さらに政治、経済、消費、家族、女性、若者といった様々テーマと関連づけて” 郊外 ”を論ずることによって、現代の様々な問題を浮かび上がらせます。
豊富な資料と鋭い分析によって”家族” や ”消費の時代” を考察したこの本は、” 住まいづくり ”を考える時に、より広くより深い視座を与えてくれる貴重な本です。
三浦氏には多岐にわたる著書がありますが、住宅や住まいづくりに関するものとしては『ファスト風土化する日本 郊外化とその病理』洋泉社(新書y)もお勧めです。