届かない叫び声

このブログでは、建築以外の社会ニュースには触れないようにしていましたが、とても気になるニュースがあり、この事件について書いておきたいと思います。

それは「大阪・2児遺棄事件」。母親が育児を放棄した末、大阪市西区のマンションで幼い姉弟が亡くなった事件です。「幼い姉弟は裸で寄り添いながら亡くなっていた・・・」というニュースから想像した悲惨な映像がずーっと頭から離れないでいます。

新聞によると、約80戸のマンションで、10人以上の住民が子供の泣き声を聞いていました。しかし、児童相談所に通報した住民は一人です。でも、その勇気ある人は3回(3月30日午前9時30分、4月8日午後8時20分、5月18日午前5時30分)日や時間を変えて連絡しています。それに対する児童相談所の対応と判断、そして弁明はここに書く必要もないほど、お粗末なものでしかありませんでした。

母親の育児放棄や法律の整備が問題視されていますが、救えるチャンスがいくらでもあったのに救うことが出来なかったことの中に、恐ろしいほど深い問題が含まれているように感じています。

この事件は以下のように受けとるべきではないでしょうか。

幼い姉弟が数ヶ月にわたり助けを求めて泣いていた。

何十回、何百回と「助けて」と叫んでいた。

「私」は泣き声や叫ぶ声を何度も聞いた。

「私」は「虐待かもしれない」と思ったが何もしなかった。

通報を三度受けた「私」は、実効性のある行動を一度もとろうとしなかった。

善意もなければ悪意もない・・・

ただ、なんど発しても届かない叫び声を残し幼い「私」は死んでしまった。

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