一昨年の6月から基本計画〜基本設計〜実施設計と、山あり谷ありで進めてきた狭小地の木造3階建て住宅(在来工法)『緑をつかまえる家』の見積り用図面が完成。桜が満開となつた今週、工事会社に相見積もりを依頼しました。
ここまで、さまざまな理由から通常の住宅よりも長い時間がかかりました。住まいを生み出す元となり、建て主の方との長い検討と打合せの結果がいっぱい詰った設計図面は、見た目以上に重たいです。
住宅の見積り用図面(実施設計図)は、一般的に意匠図、構造図、設備図の3つのパートに分かれて、一般的な規模の住宅で60〜90枚程度の図面枚数になります。
意匠図は、平面図や立面図、配置図、面積表、断面詳細図、内外仕上表、展開図、天井伏図、建具表、外構図などで構成されています。構造図は梁柱の大きさや位置、耐力壁の位置と仕様、基礎など、建物の骨組みの図面です。設備図は、エアコンや床暖房、換気扇などの種類と配管を示した空調換気設備図、湯水の配管や排水管の経路や水栓や洗面器などの給排水設備図、照明器具やコンセント、LAN配管等の電気設備図に分れています。
狭小住宅の『緑をつかまえる家』は、工事会社3社から見積りをとり、ここまで見積り調整を重ねてきましたが、最終的にご予算との調整がつかず、残念ながらプロジェクトが中止になりました。(2014.6月)
「耐震等級3の1.2倍の安全率=建築基準法の1.8倍程度」」をクリアすること、狭小地で厳しい法規制がかかること、建て主の方はシックハウス過敏症のため使える構造材や建材が限られるなど、特殊な条件の下での家づくりでしたが、最終的に建て主の思いを実現することができないという結果となり、設計者としての力不足を感じるとともに、建て主の方をはじめ、ご協力いただいた方々に対しても大変申し訳なく感じています。
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