住宅の仕上げで自然素材をというとき、その代表格は珪藻土(けいそうど)です。
珪藻土とは、植物性プランクトン(珪藻)が長年にわたり堆積して化石化した鉱物で、これを原料とした左官材は、吸湿、放湿を繰り返しながら部屋の湿度を調整する調湿機能や、臭いを吸着・分解する脱臭機能をそなえた優れた仕上げ材です。
左官材ですので、コテの使い方でいろいろな表情を出したり、切りワラやモミ殻の粉を混ぜてオリジナルな表情を付けることもできます。一方、角が欠けやすかったり傷がつきやすいという面もあり、その点は設計での納まりを工夫する必要があります。
コストは、左官屋さんが現場で塗るので、ビニルクロス貼や塗装の仕上げと比べると工事費は少し高めになります。
建て主(素人)の方が、一度講習を受けられた後、家族で珪藻土を塗られた『スキップする家』の和室。下地ごしらえまで左官屋さんにお願いしましたが、コスト(費用)を抑えることができ、かつ、プロには出せない味も生まれています。
ちなみに、床柱や床框などの建材は、建て主のご実家(元材木店)に工務店と一緒に取りにいき、製材して使ったものです。
珪藻土を自主施工した壁には、”家族の記憶”が刻まれています。
現在はいろいろな会社から多種多様な珪藻土の左官材が発売されています。調湿性能の違い、厚み、珪藻土の含有量、費用、施工性などを検討して慎重に選んでいくことが大切です。
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【設計事務所アーキプレイスで内装に珪藻土(けいそうど)を使用した住宅事例】