建築材料の熱伝導率(λ)

熱伝導率(λ)[W/m・K]は物質固有の”熱の伝えやすさ”を表わします。

熱伝導率は厚みに関わらず材質自体で決まる数値なので、この熱伝導率を使って材料(物質)の断熱性能を比較することができます。

【主な建築材料の熱伝導率(λ)】

・アルミニウム  236.0

・鉄        83.0

・コンクリート    1.5

・ガラス       0.6

・水         0.56

・石膏ボード     0.22

・ALCパネル      0.17

・合板        0.16

・木材(杉、桧)   0.12

・グラスウール    0.045〜0.035

・空気        0.02

これを見れば、コンクリートは木材より約12倍、ガラスはグラスウールより約15倍熱を通しやすいこと、空気がいちばん熱を伝えにくい材料であることなどが分かります。
また、厚さ20センチ(200mm)のコンクリートの壁では、グラスウール5mm程度の断熱性能しか期待できないことが分かります。内外コンクリート打ち放しの建物は、見た目はかっこいいのですが、断熱性能の面からみると心もとないことがわかります。グラスウール100mmと同等の断熱性能を得るためには、コンクリートの壁の厚さはなんと4メートル必要になります。

住宅やビルの窓に使われるアルミニウムとガラスはどちらも熱電導率が高く、熱を伝えやすい材料なので、断熱性の面では壁よりも窓が劣ります。ガラスは長い間シングルガラスが使われていましたが、住宅ではペアガラスが標準となり、断熱性は一定レベルまで改善されましたが、それでも壁よりは劣っています。

鉄骨造の建物の外壁に使われるALCパネルは、発売当初は断熱性がある材料とうたわれていましたが、現在の基準から考えると断熱性能があるとは言えない材料です。ALCパネルを外壁に使った場合でも、グラスウールなどの断熱材を入れることが必要です。

先日、ホームセンターで窓ガラス用の断熱材を見つけ、事務所の掃出し窓(シングルガラス)の下半分に貼りました。空気の熱伝導率の低さをうまく利用した製品ですが、これ一枚を貼るだけで足下の寒さがずいぶん緩和されました。

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