「住宅エコポイントや省エネ住宅優遇の余波で、壁や天井等に使う断熱材のグラスウールが不足している」と新聞にも出ていましたが、外断熱(外張断熱)での住宅が増えてきた現在でも、住宅の断熱材として一番多く使われているのは繊維系断熱材のグラスウールです。
その理由としては、同じ断熱性能において価格を比較した場合、他の断熱材よりも圧倒的に安いことがあげられます。(ボード系と呼ばれる断熱材の1/2〜1/3程度)
但し、グラスウールにも性能や形状により種類がたくさんあるので、必要な(求める)性能のものを選び、隙間の空かない適切な施工を行なうことが大切です。
グラスウールの断熱性能は
・厚さ
・密度(kg/m3)(16Kとか24Kと表記され密度が高いものほど断熱性能が高い)
・繊維の細さ(繊維が細いものほど断熱性能が高い)
で決まりますが、より正確にはカタログに表記されている、熱伝導率λ(W/(m・k))や熱抵抗値R(m2・K/W)の数値で決まります。
◆熱伝導率(λ)とは、物質固有の熱の伝えやすさを表わし、数値が小さいほど熱を伝えにくい。(材料の厚みに関わらず材質自体で決まる)
◆熱抵抗値(R)とは、材料の厚みをふまえた断熱性能
熱抵抗値(m2・K/W)= 厚み(m)÷ 熱伝導率(W/(m・k))
東京[地域区分IV]で、次世代省エネ基準(断熱等級4)をクリアするためには、グラウウール(λ=0.040〜0.035)壁は厚90、屋根は厚185必要です。
一般的な木造住宅の壁に使われるグラスウールは、”耳”つきの袋の入っていて、間柱の間に入れ、タッカーで200mm程度の間隔で止めます。
名前の書いてある側が室内側にシルバーの面(右下写真)が外壁側にします。
厚さ100、16K、熱抵抗値2.2の断面写真。グラウウールは、ガラスを溶かし、綿状の繊維にして固めて作ります。
>>関連ブログ2012.6.26 住宅の断熱・気密 現場発泡ウレタン
◼︎現在(2016)は繊維系断熱材の品質や性能が高まり、施工方法においても、東京地域(IV地域)では室内側の防湿フルムが省略できる製品が開発されるなどの変化が見られます。
設計事務アーキプレイスでは、繊維系断熱材の充填断熱の場合は、旭ファイバーグラス株式会社のアクリア(Aclear)を標準として外壁、床下、天井などに考えています。
>>アクリアによる充填断熱の標準的な施工(III~V地域対応) 旭ファイバーグラス株式会社