広島県三次市で昨年末完成した、NGOリフォーム（施工（株）アマノ）は、築７０年の古民家の改修です。
古民家の改修・リフォーム（リノベーション）というと、黒い大きな柱や梁を活かしたものを
イメージしてしまいます。見事によみがえった民家を見ると
伝統工法の技術のすばらしさを再認識させられます。
しかし、一方でそれとは違う改修・リフォームが求められているとも思うのです。
広島県の北部に位置する三次市でも過疎化と高齢化が進んでおり、
昔ながらの座敷を南側に配置した間取りや、普段使わない部屋がたくさんある住まいは、
冬は寒く、暗く、段差が多く、決して暮らしやすいものではなく
高齢者の日々の生活には負担となっています。
NGOリフォームでは、
「安全な生活」「あかるく暖かい部屋にしたい」「すっきりとした空間に住みたい」
という建て主の願いをかなえるために、家の約１/３を日常生活の場所として限定して、範囲を絞って改装しました。
広すぎたダイニングキッチンはリビングとしても使えるように、
使われていなかった客間は寝室として使えるようにしました。
耐震壁を新設し、基礎を補強し、床は段差を解消して安全性を高め、
床と壁には断熱材を入れ、窓はペアガラスにして断熱性能を上げ、
内装を明るい材料で仕上げました。
快適な生活を手に入れたいという建て主の要望を、
『小さく住むこと』を選択することで、
限られた予算のなかで実現できたように思います。
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