住宅のストリップ(スケルトン)階段の安全対策

階段で、踏み板(水平部の板)のみで蹴込み板(垂直部の板)がなく、側面のささら桁も華奢にできたものを、最近ではストリップ階段やスケルトン階段と呼ぶようになりました。

ストリップ階段(スケルトン階段)は、垂直部の板がないことで視覚的な抜けにより空間に広がりが生まれたり、形態のおもしろさが空間のアクセントにもなるため、設計事務所アーキプレイスでもよく使います。最近では建て主の方から、「階段はストリップ(スケルトン)で」と要望される事も多くなっています。

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空間の中で大きな存在感を示す階段は、デザイン的にはできるだけシンプルにすっきり作りたいところですが、一方で落下防止(転落防止)などの安全面をどの程度考慮しながら設計すべきかということがポイントになります。
設計事務所アーキプレイスでは、図面とともに実例写真をお見せして、コストや安全面で配慮すべき点、ネットなどによる簡易的(一時的)な安全対策などをご説明しながら、建て主の方と時間をかけて最終的な形を決めています。

ひかりの家』 階段の踏み板の後ろ側に溝を切り、蹴込み面に最初からポリカーボネート復層板6mmを取付け、踏み板同士の隙間を塞いだ例。ポリーカーボネート復層板には、独特の透明感があり、安全性を兼ね備えたユニークな表情のスケルトン階段ができました。

緑と眺望を楽しむ長屋建て住宅踏み板の間の隙間を塞ぐために、階段の踏み板の後ろ側に溝を切り、より透明感のあるポリカーボネート5mmを蹴込み面に最初から取付けた例。ポリーカーボネート板は強度が高く割れる心配がありません。透明なものを使い、スケルトン階段のシースルー性を損なうこともなく、安全な階段ができました。(見た目の怖さはかわりません)

太陽の光を感じる家』 階段の踏み板を厚くして踏み板間の隅間を小さくし、側面への落下をガラスで防いだ例。玄関ホール全体のシースルー性や軽快感を損なうことなく、安全性を兼ね備えた片持ち構造のスケルトン階段ができました。

庭に向かった家』 スケルトン階段の踏み板の後ろ側面に、後からアクリル板5mmをにビス止めした例。子供さんが階段を登るようになり、建て主の方から相談を受けて実施した簡易な安全対策。子供さんか大きくなって必要なくなれば、取り外すことも容易です。

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神楽坂の家』 階段自体の蹴上寸法(一段の高さ)を低くして、踏み板どうしの隙間を小さくして、落下防止対策とした事例。階段の傾斜角度を緩やかにできれば、階段の垂直部分の隙間が小さくなるので、スケルトン階段であっても隙間からの落下の心配はなくなります。

住宅の階段は見た目のデザインとともに、上がり下りのしやすさ、費用感、落下防止対策(安全性の確保)までしっかり検討した上で、決めていくことが大切になります。

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