ビル用サッシも「個別認定」へ サッシメーカーの説明を受けました

防火地域や準防火地域に住宅やビルを建てる場合、「延焼の恐れがある部分」の開口部(窓)に「防火設備」を使用することが義務付けられています。

<防火設備を使用しなければならない場所>
1階の場合   :隣地境界線または道路中心線から3m以下
2階以上の場合 :隣地境界線または道路中心線から5m以下

簡単に言うと、延焼の恐れのある部分の窓は、防火性能の高い窓(防火サッシ)にしなければいけないと言うことです。

では、この防火性能の高い窓(防火サッシ)とは何かという時に、「住宅用サッシ」では2104年に、長い間使われてきた「通則認定」から「個別認定」へと防火サッシの認定方法が切り替わり、延焼の恐れのある部分に使えるサッシの選択肢が狭まりました。また、使えるサッシの価格も高く(1.5倍〜2.0倍)なったため、住宅の設計に大きな影響がありました。

2019年4月からは「ビル用サッシ」も、「通則認定」から「個別認定」へと切り替わることになり、現在設計中の鉄骨造の住宅『囲んだテラスに開いた2階リビングの家』の設計にも関わるため、サッシメーカー(LIXIL)の方に事務所に来ていただき内容を詳しく聞きました。

「個別認定」の防火サッシでは、窓サイズ、開閉方法、連窓の制限があるので注意が必要です。

加えて、アルミサッシの枠形状のうち、半外付枠、外付枠が使えなくなり、RC枠、ALC枠、F枠のみしか使えなくなります。鉄骨造では半外付枠、外付枠のサッシを使うことが多いですが、これからはRC枠サッシを下地のチャンネルなどに溶接で取り付け、隙間にモルタルを充填する方法に変わります。

>>関連ブログ2019.8.19 サッシの取付けが始まりました 囲んだテラスに開いた2階リビングの家

今回の「ビル用サッシ」の「通則認定」から「個別認定」へと切り替えは、私たち設計者にとって、プランニングから窓周りのデイテール設計、コストバランスなど、今まで以上の設計力を要求されて、大きな影響を受ける改正になりそうです。

>>関連ブログ2018.7.30 「平成30年改正建築基準法に関する説明会」に参加しました


2019.6.11追記
LIXILから、個別認定の半外付け枠のサッシが発売されました。

株式会社 LIXIL は、大臣認定防火設備(個別認定)のビル用アルミサッシ「PRO-SE・BFG」に、RC・ ALC 造用に加え、工場・倉庫などの軽量鉄骨造への取付に適した「半外付け枠」を新たに追加します。 個別認定での半外付け枠の設定は業界初となり、従来の大臣認定防火設備(通則的認定)と変わらない 納まりを実現しております。
>>https://newsrelease.lixil.co.jp/news/pdf/2019061101.pdf


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