午前、小雨の降る中おこなわれた『都心のオアシス 中庭のある家』(木造2階建)の地盤調査、スクリューウエイト貫入試験に立ち会いました。
地盤調査は、旗竿敷地の中の建物を建てる部分の4隅と真ん中1カ所の計5カ所で実施。
先月1度刈った草は青々と伸びていましたが、ちょうど良い長さで、雨中でも泥だらけにならず敷地内を歩き回る事ができました。
スクリューウエイト貫入試験による地盤調査の判定は、国土交通省告示1113号を根拠とする下が目安となります。(地層の傾きや土質も重要)
◼︎基礎下2.0mまで0〜1.0kN自沈の地盤が存在するか否か。(100kgの重さでの自沈)
◼︎基礎下2.0m〜5.0mまで0〜0.5kN自沈の地盤が存在するか否か。(50kgの重さでの自沈)
<NPO 住宅地盤品質協会HPより転載>
南西角は、やや他より地盤が悪いデータが出ました。
水路(暗渠)が近くにあるため、その影響をある程度予想はしていましたが、自沈層が含まれる場所がいくつかありました。
地盤改良せずにすめば良かったのですが、関東ローム層(良い地盤)の厚みも薄く、支持地盤はGL-9.5m~-10mほど下となり、地盤補強が必要になりそうです。スクリューウエイト貫入試験の正式な報告書が出来あがってくるのは後日になりますが、事務所に帰ってから建て主の方にはメールと写真で概要をご報告しました。
地盤補強(地盤改良)の方法はいくつかあります。
・柱状改良:ソイルセメントコラム工法
→費用的に一番リーズナブルな工法ですが、施工機械が大きいため、今回のような旗竿地では施工が難しい場合が多い。
>>ソイルセメントコラム工法・・・セメント系固化剤を用いた柱状体による湿地式地盤補強法
・パイルド・ラフト基礎工法:RES-P工法
→狭い場所でも施工可能な工法です。今回はこの工法が有力です。
>>RES-P工法・・・小規模建築物の基礎に用いる細径鋼管による地盤補強工法
・回転貫入鋼管杭工法:アルファフォースパイル工法
→狭い場所でも施工可能ですが、やや高価な工法になります。
>>アルファフォースパイル工法・・・回転貫入鋼管杭工法、先端拡底翼付鋼管杭を用いた地盤補強
地盤補強費について、施工可能な工法でそれぞれの工法の見積もりを地盤改良会社に依頼しました。今後、構造設計者とも相談し、この木造2階建住宅(地盤の長期許容応力度20kN/m2以上)に一番最適な工法で地盤補強する事になります。
>>関連ブログ2015.5.15 地盤改良工事の立会い 独立した二世帯が集う家
>>関連ブログ2019.4.18 鋼管杭による地盤補強工事 囲んだテラスに開いた2階リビングの家
◼︎住宅地盤の基礎知識(NPO 住地盤品質協会)・・・住宅の地盤についてもっと知りたい方へのお勧めサイトです。
>>設計事務所アーキプレイスの動画 You Tubeチャンネル archiplacejapan