今日は、台風9号の影響で久しぶりの雨が降り、猛暑も一休みという感じです。街の色も濃く、緑も鮮やかに見えました。
設計事務所アーキプレイスでは、屋上テラスやルーフバルコニーを計画することがありますが、その時に注意するのは、防水の方法とともに雨水排水の計画です。その地域の1時間最大降水量をもとに、安全率(3倍程度)を掛け、タテ樋の直径や本数を決めています。
◼︎必要雨水排水量=1時間最大降水量 ×(バルコニー面積 + 壁面積の1/2*)× 300%
*壁面から流れてくる雨の量も、 壁面積に1/2を掛けて考慮します。
屋根勾配は1/50以上(排水溝部分は1/200程度)とし、さらに、ゴミや落ち葉で配管が詰まっても、室内に水が流入しないようにオーバーフロー管を設け、また、バルコニー立上り高さよりもサッシ下端を高くして、2重、3重の安全設計とするよう心がけています。
*オーバーフロー管は、タテ樋が詰まった場合に、一時的にタテ樋の変わりに雨水を流すものです。また、オーバーフロー管から雨水が流れることで、タテ樋が詰まっていることを伝える信号の役目も持っています。(下写真 黒いドレンの上の丸いパイプがオーバーフロー管です)
また、オーバーフロー菅の役目を考えると当然ですが、オーバーフロー管の取り付け高さは、サッシ下端部の防水立ち上がり高さよりも低くしておきます。サッシ下端部の方が低いと、オーバーフロー管を通して雨水が排出される前に、サッシ下端部の防水の切れ目や隙間を通して室内側へ水が入ってくるからです。目で見て隙間がなく、シールがしてあったとしても、長い目で見ると雨水浸入の可能性は高くなります。
さらに、最近のゲリラ豪雨では、100mm/hを超える異常な雨量になることがありえるため、オーバーフロー菅の大きさ(管径)は縦樋と同じ大きさ(管径)にしておいた方が、雨水排水の計画としては安心だと思います。
*タテ樋への流入部分にあたるドレンにストレーナーを忘れないように取り付け、落ち葉などでタテ樋が容易に詰まらないようにします。
*テラスやバルコニーの防水の上に木製デッキはって、室内の床と平らにする場合にも、防水や雨水排水の考え方は同じです。タテ樋への流入部となるドレン部は、点検できるように、デッキの一部を取り外せるようにしておきます。
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