軽井沢の南ヶ丘倶楽部にある、三五荘(さんごそう)を見学しました。
三五荘(さんごそう)は山梨県塩山市にあった民家が1935年に移築されたもので、
何度か手を加えられたあと、現在は有形文化財(国)の三五荘資料館と
して使われています。
大黒柱(12mのケヤキ)や梁など、構造は約180年前のままで、
改築されながら大切に使われてきたことは、
スケルトン・インフィル(交換可能なものとそうでないもの)の考え方や、
サスティナブル(持続可能性)な社会など、現在の建築が学ぶべきものが
多くあると強く感じました。
甲州塩山の豪農が建てた民家を、関西の実業家、原田六郎(原田汽船)が移築、
戦後GHQが接収したあと東急電鉄が所有し、今は中央工学校が所有。
三五荘(さんごそう)の2階のリビングは、昔の柱や梁が活かされた力強い空間。
吹抜けの高窓から光が入る。
元々蚕を飼っていた場所のたため梁の位置の低いが、それが気持ちがよい。
3階の寝室に上がるための階段が、構造体と調和してとてもきれい。
吹抜けを挟んで両側に個室(寝室)がある。
ラウンジチェア(剣持勇デザイン)やペンダントの照明が、元々民家だった空間
違和感なく調和している。
風通しを考え、階段室周りは腰上の障子だけでなく腰壁部分も建具で、
開閉できるようになっている。
単に太い材料を使っただけでなく、細部まで考えられた階段がとても
気に入りました。
1階の元の玄関扉にはドイツ製のカットガラスが使われている。
厚い板の張られた床(民家の時は土間)に落ちる光と影。
>>関連ブログ2010.5.18 三五荘(さんごそう)見学つづき
>>関連ブログ2010.9.14 猪股邸 吉田五十八の夢の住宅