『細長変形地の二世帯コートハウス』(木造3階建・長屋形式の二世帯住宅)では、LDKのある2階の天井に、天然木練り付け不燃化粧板が張られはじめました。
>>関連ブログ2010.2.18 化粧合板の柾目(まさめ)、板目(いため)、杢目(もくめ)
2階LDKの天井は、キッチン〜ダイニング〜リビングと同じ板張り仕上げにすることで、水平方向の広がりを強調しています。
天井の板張り仕上げには、床のチーク複合フローリングと同じ木目と色合いの、チーク天然木突き板(天然木練り付けともいう)化粧板を使って仕上げます。ここで注意が必要となるのが、ガスコンロを使うキッチン周りの天井には、建築基準法の「火気使用室の内装制限」がかかるため、不燃材で仕上げなければいけないことす。木の無垢の板や、表面に天然木を練り付けた化粧合板は使えません。(*「火気使用室の内装制限」は、木造2階建ての2階にキッチンがある場合はかからないので、その場合は無垢の板を天井に張ることができます。)
今回は、天然木を練り付けた化粧合板とともに天然木を練り付けた不燃ボード(不燃仕様)の両方がある、(株)オネスト・アンド・パートナーズのNATYURAL BOARDのチーク(マットクリア塗装)を使って張り分けました。天然木練り付け化粧合板と天然木練り付け不燃ボードは見た目は同じで、厚さには0.5mmの違いがあるのですが、実際に施工してみると厚さの違いはまったく気になりませんでした。
>>(株)オネスト・アンド・パートナーズ 天然木練り付け化粧板 NATYURAL BOARD(ナチュラルボード)
>>住宅紹介動画 Houses_Movie01 細長変形地の二世帯コートハウス
コンロを使う部屋の天井に板を張りたい場合には、まず、その天井に「火気使用室の内装制限」がかかるかどうかを調べます。
「火気使用室の内装制限」の範囲や仕様については、国土交通省告示 第225号(H.21.2.27)の難解な文面を読み解く必要があります。立体的なことを文面だけで理解するには骨の折れる内容ですが、「あんしん高度化ガス機器普及開発研究会」の解説には立体的な図解もあり、とても分かりやすくまとめてあり参考になります。
ちなみに、この住宅の天井板は千鳥に張るため、計算で求めた半径で天井面に円を描き、その円に少しでもかかった板には不燃ボードを使いました。
>>ガスコンロ使用の調理室等における内装制限の緩和に関する国土交通省告示(第225号、平成21年2月27日)について:あんしん高度化ガス機器普及開発研究会
1階から2階へ上がる鉄骨階段(右側)が設置されました。ここからも2階天井の板張りがよく見え、一体感を生み出す天井が仕上がるのが楽しみです。
>>関連ブログ2015.11.25 独立した二世帯が集う家 天井のウエスタンレッドシダー板張り
屋上テラスからは、屋根波の向こうに紅葉した木々が見えます。
>>設計・工事経過 ブログカテゴリー 細長変形地の二世帯コートハウス
>>細長変形地の二世帯コートハウス 竣工写真 その1
>>細長変形地の二世帯コートハウス 竣工写真 その2
>>細長変形地の二世帯コートハウス 竣工写真 その3
>>住宅紹介動画 Houses_Movie01 細長変形地の二世帯コートハウス
【設計事務所アーキプレイスでの天井板張りや天井合板貼りの事例】
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