9月(2023年)にお引き渡しした『囲炉裏のある趣味満載の家』(地下1階RC・地上木造2階建・SE構法)の竣工写真
都内の東西に長い変形敷地の段差地に計画した、ご夫婦の趣味を生かした終の棲家。
外観は高度斜線をクリアするため、3つのボリュームに同じ勾配の片流れ屋根をかけ、南道路側の外壁に杉板を張ったシンプルモダン。内部は和モダンで、掘り炬燵タイプの囲炉裏を設けた和室を中心として、寝室以外の諸室とバルコニーが、中央の吹抜やスキップフロアの構成により繋がっています。耐震等級3の耐震性能が開放感のある細長い住まいの安全性を担保し、高気密高断熱(HEAT20 G2レベル)の性能が温度のバリアを取り去り、連続した空間の快適性、省エネ性を実現するためのベースになっています。
敷地面積:168.83m2(51.07坪) 建築面積:99.31m2(30.04坪) 延床面積:155.51m2(47.04坪)
設計監理:設計事務所アーキプレイス 構造設計:NCN(エヌシーエヌ) 施工:諫早建設株式会社 キッチ:YAJIMA 外皮平均熱貫流率 UA=0.42 一次エネルギー消費量基準 BEI=0.59 東京ゼロエミ住宅<水準3>取得
写真[S.Osawa=大沢誠一、AP=アーキプレイス]
南道路側の外観 人通りの多い道路からは室内が覗かれにくくなっている。道路際のフェンスは、日差しが菜園スペースに入りやすいように角度付けた人工木の縦格子。[S.Osawa]
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人工木の縦格子は正面から見ると視線が通りにくくなっている[S.Osawa]
クオーツストーン乱形貼りのアプローチ。1階の外壁は杉板張りで、スチールの玄関扉にも同じ杉板を張っている。[S.Osawa]
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[S.Osawa]
玄関の床は十和田石貼り。上足部の床は、一部に畳を敷いたヒノキフローリング(無節)で、壁は珪藻土塗り。造作家具の一部に、来客時にちょっとした書物ができるデスクを設置。[S.Osawa]
玄関見返し[S.Osawa]
結界となる敷台は建て主の方と新木場の材木店で見つけた耳付きのケヤキ無垢板。間接照明が足元を柔らかく照らす。[AP]
>>新木場の材木店へ 囲炉裏のある趣味満載の家
玄関に設けた手洗いコーナー。木を利用したタオル掛けは建て主作。[S.Osawa]
[左]障子を張った地窓[AP]
[右]1階のトイレ[S.Osawa]
足元の障子の外には緑を植える予定。[AP]
カウンターはセンの無垢板。モザイクタイルは平田タイルSmart(ミックス貼)[AP]
吹き抜けのダイニング。右に小上がりの和室、左にキッチン。床はチェットナット無垢フローリング。[S.Osawa]
吹き抜けのダイニングから和室側を見る[S.Osawa]
小上がりの和室は客間にもなり、4枚の襖で閉じることができる。右側に床下空間を使って1階床面を温めるエアコンが見える。[S.Osawa]
掘り炬燵状に床をくり抜いた中に、4〜6人が座れるテーブル式の囲炉裏(いろり工房)を設置。釣ってきた魚や菜園スペースで育てた野菜を囲炉裏で焼きながら食べる。[S.Osawa]
縁側に面した雪見障子を開けると、菜園スペースの緑が楽しめる。
[S.Osawa]
檜錆丸太の床柱、杉赤無垢(3面浮造り仕上げ)の落とし掛け、檜無垢板の床板、竿縁天井の黒竹は建て主の方と一緒に新木場の材木店で探したもの。壁は緑色と白色を調合した珪藻土塗り「金ゴテ引きずり仕上げ」[S.Osawa]
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視線の高さを抑えた雪見障子。人工木の縦格子が室内のプライバシーを守ってくれている。[S.Osawa]
障子を透ける光の濃淡も感じられるようにデザインした雪見障子[AP]
中央の壁開口には仏壇が置かれる[S.Osawa]
ダイニングのキッチン側を見る。天井のトップライトから一日中光が入る[S.Osawa]
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こだわりのキッチンはYAJIMAのオーダーキッチン。カウンターはセラミックストーン(DEKTON:Kelyaケリヤ)、扉面材は石目調のメラミン化粧合板。[S.Osawa]
右奥には通常の三口コンロとハイカロリーバーナー(アスコ)が並ぶため、レンジフードは幅1200タイプのアリアフィーナ(富士工業)。左奥の家電置きの下にはゴミ箱が置かれる。
床点検口と勝手口ドアの間に見える木製グリルの下に、ダイニングのエアコンで温められた床下の暖気を、室内に吸い上げるブースター循環ファン(協立エアテック)が設置されている。また、床下を自動で掃除するためのお掃除ロボットの基地が床下点検口の下にある。[AP]
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キッチンからは和室や菜園スペースまで見通せて、2階のエクササイズ室も見える。[S.Osawa]
天井の高い寝室。 右側は造り付けのクローゼット。[S.Osawa]
正面の障子を開けると緑の景色が飛び込んでくる[S.Osawa]
寝室のデスクコーナーを見る。 高窓からは緑や夕焼けが楽しめる。[S.Osawa]
モダンな障子はKITOTEの切子の「チェス」[S.Osawa]
スキップフロアを上がり下りする階段から寝室を通して緑が見えます。[AP]
[S.Osawa]
スキップフロアをつなぐ木製階段。右下はダイニングの入り口。
2階の通路はダイニングの吹抜けに面していて、奥の40センチ上がった床がご主人のエクササイズ室。右は奥様の趣味室。[S.Osawa]
奥様の趣味室も吹抜けに面していて、デスクを置く前にには室内窓を設けている。[S.Osawa]
趣味室の収納の引き戸の奥には、箱階段で上がる隠し部屋的な納戸がある。[AP]
室内窓開けると遠くまで視線が伸び、トップライトからの光も入ってくる。[S.Osawa]
2階の床は明るい色のバーチ無垢フローリング。天井は無垢板ばり(ヘムパネリング)[S.Osawa]
エクササイズ室。屋根のかかるバルコニーに出入りでき、左の壁の長押は、趣味の魚釣りの仕掛けを作る時などに使う。[S.Osawa]
床はヒノキ無垢フローリング(節あり)で、吹抜けの開口を通して奥様の趣味室も見える。[S.Osawa]
断熱性能が高く温度差は生じにくいので、エクササイズ室は仕切りのないオープンな部屋になっています。[S.Osawa]
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洗面脱衣室の床は、建て主の方のたっての希望で畳敷き。旅館などで使われている洗えるウォッシャブル畳(きよらか/極東産機)です。[S.Osawa]
浴室には、太陽の光を感じながら入浴できる大きな窓を設置。[S.Osawa]
バルコニーの腰壁が外からの視線を防いでくれます。[S.Osawa]
[左]入浴後にはバルコニーで外の風を感じながら涼むこともできます。[AP]
[右]屋根のかかる場所は洗濯物干場としても使います。左はのエクササイズ室で、窓を開けるとちょうど腰掛けられる高さの床があります。[S.Osawa]
浴室には、テレビを見るための室内側の窓を最大幅で設置。[AP]
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バルコニー出入り口から洗面脱衣室を見る。[AP]
吹き抜けの高窓には、見る角度によって隣が見えなくなる視線偏向フィルム(ビジョンコントロールフィルム Z-2555 両方向不透明/ヤマヒラ)を窓に貼って、隣家の窓が気にならないようにしています。[S.Osawa]
吹き抜けの天井見上げ。[S.Osawa]
玄関側より約1.4m下がった北側道路側にあるガレージ。スチールの防火シャッター付き。奥に大型冷蔵庫を置く勝手口の引き戸や釣り道具を置く棚が見える。釣ってきた魚は左側のシンクで捌く[S.Osawa]
ガレージは半分地面に埋まっているため、法的には地階になる。[S.Osawa]
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ダイニング夕景。[S.Osawa]
夕景 ご主人のエクササイズ室の開口からキッチンがよく見える。[S.Osawa]
奥様の趣味室の室内窓からは和室の囲炉裏が見える[S.Osawa]
>>これまでの設計・工事経過 囲炉裏のある趣味満載の家
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【設計事務所アーキプレイスでのSE構法の住宅事例】
室内化したテラスを持つ家、独立した二世帯が集う家、細長変形地の二世帯コートハウス、明大前の賃貸二世帯住宅、風と光と暮らす家、緑と眺望を楽しむ長屋建て住宅、
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